玉乃光は米と水と麹だけで作る酒ですから、 米へのこだわりは、並大抵ではありません。 日本酒の原料である酒造好適米(酒造りに適した米) が使われている割合は市場の五%と言われる中で、 米の品種にこだわります。 玉乃光が扱うのは、かつて幻の酒米と言われた 「備前雄町(びぜんおまち)」、 酒米の横綱との呼び声高い 「山田錦(やまだにしき)」、 そして、京都で生まれた高級酒米 「祝(いわい)」など。 毎年春になると、原料米の生産地へ赴き、 社員自ら長靴に履き替え、 農家の田植えにも立ち会います。 「苗を密生させると、品質が悪化するから」と、 苗の間隔にまで気を使っています。 収穫された米は、 生産者別に水分やタンパク質の比率などを調査し、 独自の厳しい基準に満たない米は、 決して使いません。
雄町
OMACHI
150年以上酒造りの歴史を支える日本初の酒造好適米。
ふっくらとした厚みと複雑な味わいが織りなす、上品な酒米。
1859年、岡山市中区雄町にて岸本甚造氏が発見、1866年より「日本初の酒造好適米」としてデビュー。
以来、150年以上にわたって途切れずに栽培されている唯一の品種。
岡山県の備前地方で栽培される「備前雄町」が特に有名です。
味わいの特長は、すっきりとした山田錦とは対をなす、ふっくらとした厚みのあるボディー。
旨味のある複雑な味わいと、いつまでも続く余韻の長さが魅力です。
雄町米は晩生(おくて:10月下旬頃の収穫)のなかでも、軟質で心白が大きく、高精米が難しいなど、日本酒造りにおいて高度な技術が求められますが、濃醇かつ個性的な香味で多くの人々を魅了しています。
※「雄町」の買付量:実は単一酒蔵として玉乃光酒造が全国一を誇ります(玉乃光酒造しらべ)。
雄町の特徴
- 江戸時代から存在する、酒米の元祖
- 幅のある複雑で深い味わい

短稈渡船
TANKAN WATARIBUNE
山田錦の誕生と共に姿を消した短稈渡船。
玉乃光酒造が蘇らせた「幻」の酒米。
1896年に発見された、と滋賀県農場試験場の資料に記載されています。
渡船で運んでいる途中、看板がなくなってしまい、その船が名前の由来となった一説も。
言わずと知れた「山田錦」の父株です。
母株「山田穂」との掛け合わせで生まれた「山田錦」が1923年に誕生する一方で、それと入れ替わるように作られることがなくなりました。
その幻の酒米を兵庫県の農家さんとタッグを組み、2015年から新発売いたしました。
香りも味も「幻」の名にふさわしい、今までの玉乃光にはない印象を受けること間違いなし。
まだまだ少量しか作れないので、できるお酒もまだ少ないのですが、徐々に生産量を増やして中核となる品種に育てていきたい、と考えています。
短稈渡船の特徴
- 山田錦の父親株
- 「幻」の名にふさわしい今までない香味

山田錦
YAMADA NISHIKI
文句なしのNo1、「酒米の横綱」山田錦。
スッキリとしたフルボディな酒質が愛される酒米。
1923年、短稈渡船(渡船2号)と山田穂の掛け合わせで誕生、1936年に命名。
傾倒しやすく、病気に弱い品種ながらも、品質の優れた日本酒が出来る、と高い評価を受けています。
2001年、酒造好適米の作付面積が全国第一位になりました。
今では、全国で広く栽培されていますが、兵庫県・三木市と加東市の一部地域のものが最高峰とされ、ここで作られた山田錦を「特A地区産」と表記されます。
山田錦は、心白が小さく高精米が可能で、上質の吟醸酒が造りやすく、
さらにタンパク質
の含有量が少ないため、雑味のないスッキリとしたフルボディな酒質に仕上がります。
山田錦の特徴
- 人気、実力、知名度、文句なしのNo1、「酒米の横綱」
- 土地で評価される制度がある「特A地区産」

祝
IWAI
京都府だけで限定栽培される「祝」。古の都を醸す、こまやかでやわらかく膨らみのある味わい。
1931年、早生(わせ)山田穂からできた野条穂を純系分離して京丹後市弥栄町で誕生、1933年に命名。
京都府下だけに限定栽培されている「京都特産の酒造好適米」です。
戦争の食糧難により姿を消し、再び復活するも機械化に適さないことから、1974年に再び姿を消すことになりました。
1992年、平安建都1200年記念事業を機に、熱心な農家と、行政、酒蔵の協力により栽培が復活。
米粒が大きく、低タンパクで心白が鮮明にあらわれるため、高精米に適しており、京都らしい、こまやかでやわらかく膨らみのある味わいを醸し出します。
端正で気品のある佇まいを持ち合わせる「祝」へのチャレンジは、本物の京の味を造るにふさわしい「地酒」として期待と可能性を秘めて、今も取り組まれています。
祝の特徴
- 京都でのみ栽培されている品種
- 京都らしい、やさしい味わいが特長

酒米の系譜
GENEALOGY

スペシャルコンテンツ
special contents
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お酒の選び方
お酒は、旨味、風味などの好みやシチュエーションによって楽しんでいただけるものです。ここではお酒の選び方を御紹介いたします。
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お米のこだわり
玉乃光酒造は、日本でも数少ない純米吟醸、純米大吟醸だけを醸す酒蔵です。米と米麹だけで造られるお酒は、お米が命。玉乃光のお米にかけるこだわりを御紹介いたします。
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酒造りのこだわり
米、水、麹、心意気―。ただ良い酒を。玉乃光酒造はいちはやく純米酒を復活させました。平安時代から続く「米だけで造る酒」が本来の日本酒であると信じ、本当の酒造りにこだわっています。
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玉乃光酒造
延宝元年(1673年)、玉乃光は生まれました。340年つづく玉乃光酒造の会社情報、直営店のご紹介です。